2007年10月25日木曜日

力士急死を検視せず警察庁と愛知県警が判断ミスを認める

力士急死を検視せず警察庁と愛知県警が判断ミスを認める
 大相撲・時津風部屋の斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)=しこ名・時太山=の急死を巡り、愛知県警が司法検視をせず、病死とした問題で、警察庁の米田壮・刑事局長は24日の衆院法務委員会で、「遺体の状況だけでなく、周りの情報を集めて総合的に判断すべきだったが、結果として間違った」と述べ、愛知県警の対応に誤りがあったとの認識を示した。 細川律夫議員(民主)の質問に答えた。 さらに、米田局長は「全国で検視体制を強化し、出来るだけ検視官を現場に出動させる。行けない場合でも警察署を指導し、ファクスや電話などで検視が的確に行われるようにしたい」と述べた。 全国の警察本部には、専門の教育を受けた検視官が147人いる。10年前より約20人増えているが、一方で警察が取り扱う死因不明の遺体は約1・5倍に増加。検視官が現場に出動する臨場率は昨年、全国平均で11・2%にとどまっている。  この問題で、愛知県警犬山署が当初、司法解剖をせずに病死と判断したことについて、松尾庄一・県警本部長は24日の定例記者会見で、「死因についてはより慎重に判断すべきだった」と述べ、初動対応に問題があったとの認識を初めて示した。 当初、虚血性心疾患での病死と判断したものの、斉藤さんの遺族の要望を受けた新潟大学での行政解剖で、「多発外傷による外傷性ショックの可能性がある」と判明した。さらに県警の組織検査で外傷性ショック死が確定し、病死でないことが明らかになった。 こうした経緯を踏まえ、松尾本部長は「今後は検視官との連携をより緊密にするなど、慎重に死因を見極めるようにしたい」と述べた。
(2007年10月24日23時33分 読売新聞)
感想「人の命に対する思い入れが、希薄に思えるのは、私だけなのか」

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