2007年10月12日金曜日

減る魚、藻場・干潟再生は困難、埋め立て進む沿岸

減る魚、藻場・干潟再生は困難、埋め立て進む沿岸
 日本の水産漁業を支えてきたのは、漁業生産量の1/4を占める沿岸漁業だ。1960年代~70年代は水質は急激に悪化した。最近は水質改善したが、逆に魚は減った。原因は何か。広島大学の上教授は「魚の成育に役立つ藻場や干潟が、開発で埋め立てられた為」と話す。細長いテープ状の葉をいたアラモが生い茂るアラモ場は、60年に23,000㌶あったが、6,000㌶まで減った。69年に15,000㌶あった干潟も2割減少した。
 漁場はプランクトンが多量に繁殖するエサ場で、稚魚が大型魚から身を隠して捕食を逃れる「ゆりかご」にもなる。干潟に生息するけい藻類や貝類、ゴカイやイソメなどの多毛類などは、有機物や汚染物質を分解して水質を浄化する。
 藻場は重要だが、ただあれば良いというものではない。「最近の研究で魚の成長過程に応じて、複数の種類の藻場が必要だと判った」と言うのは瀬戸内海区水産研究所藻場・干潟環境研究室の堺正和研究員。

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